2008年5月16日、第一回目の公開講座が行われました。この日は開催にあたってのオリエンテーションが行われました。オリエンテーションだけだったためか(?)欠席されていた方もいらっしゃったようですが、全体的にタイトなスケジュールの中、自己紹介も含め和やかな雰囲気が保たれ、笑い声も多く聞かれたオリエンテーションだったように思います。
今回の講座は、
・ 東京大学人文社会系研究科長の立花先生のご挨拶
・ 文化資源学研究室の木下先生のオリエンテーション
・ グループ内ディスカッション
というスケジューリングで行われました。今年の講座は、受講生の皆さんで各10人ほどのグループになっていただき、毎回の講座のトピックについてグループ内でディスカッションをしていただくという形式をとります。まず、立花先生がご挨拶でそのことに触れられました。「文化的な営為にどのように参画していくか」ということを考えたときに、グローバル化が進むマルチメディアの時代という現状の中でこそ、顔と顔を合わせたインタラクティブな対話が重要になってくるだろう。ひいてはそのことが「市民社会再生」へとつながりうるだろうから、この講座でもみなさんの積極的な参加を期待します、とのことでした。若干うまいこと丸め込まれた感じがします。
ちなみに、グループ分けはすでに決定しています。今回欠席された方も、次回以降いらっしゃったときに所属グループをお知らせいたしますのでご安心ください。
次に、木下先生のオリエンテーションでは、この「市民社会再生」という講座の趣旨についてご説明がありました。「市民社会再生」講座は、昨年度から3年間連続開講されることになっています。現在の日本の社会において文化がだんだん尻すぼみになってきているのではないか、という問題意識のもとに始まったこの講座は、1年目の昨年度はまず文化の実践の現状を知るという目的で行われました。そこであがってきたキーワード「公共性、多様性、マイノリティ」「記憶、身体、コミュニティ」をもとに開催されるのが今年度の講座です。今年度はこれらの個別の問題のあいだの共有項を考えていくことで、「市民社会再生はどうあるべきか」を探っていきます。これをふまえて、次年度の講座は「市民社会再生」はどのように実現可能か、ということをテーマに開催される予定です。今年度はグループによるディスカッションも行われるので、「市民社会再生」について、熱い議論が行われることになると思います。期待します。
また、木下先生からは不忍池の張り紙という身近な事例から、「多様性」についてレクチャーもしていただきました。こちらの内容は16日発行の講座ニューズレターにも寄せていただいています。今回欠席された方も、残部がありますので次回お持ちになってお読みください。
最後に、グループごとに分かれたディスカッションの時間がありました。ディスカッションといってもまだ初回です。まずは緊張をほぐすためにメンバーの自己紹介をしました。そうして見えてきたメンバーのあいだの共通点を、最後にグループごとに簡単に発表してみました。また、グループ内のリーダーとサブリーダーの選出をそれぞれ行い、今後の連絡やディスカッションのとりまとめ役をお願いすることになりました。
講座アシスタントも一緒にグループに入らせていただくのですが、私のいたグループはアーティストの支援活動をされている方、子供たちを対象に教えられている方、作家さんなど、実際に文化の実践に携わっている方が何人もいらっしゃいました。今後のディスカッションでは、きっと皆さん自分のご経験に引き寄せて議論を展開していかれるのだろうな、と思って一人わくわくした次第でございます。
これはもちろん私の入らせていただいたグループだけの話ではありません。グループごとの発表を聞いていて感じたのは、どのグループにもそれぞれ特徴的な共通点があって、そのグループごとの論点をすでに持っていそうだということでした。グループは無作為に、申し込み順に決定されたということでしたが、それでもこんなにグループごとに個性が出てくるものだなあ、としみじみ感心してしまいました。
さて、次回の講座は東京大学の大沼保昭先生による基調講演です。本格的に講座が始まっていきます。今回いらっしゃった方も、欠席された方も、皆さんぜひいらっしゃって一緒に「市民社会再生」を考えていきましょう。
最後になりましたが、このレポートは講座アシスタントが毎回執筆させていただきます。アシスタントはこれ以外にも、講座全般にわたって皆さんのサポートをさせていただきます。ご不明な点など、なにかありましたらお気軽にお近くのアシスタントまでご連絡ください。
それでは一年間、よろしくお願いします!
文責:赤星友香
1 件のコメント:
大変わかりやすくまとめて頂き、ありがとうございました。
私も、一参加者として、受講者の多様なバックグラウンドに驚き、そして大きな期待を抱きました。次回からも楽しみです。
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