運営委員の曽田です。
皆さん、昨日はお疲れ様でした。
なんだか、あっという間に前期の4回が終了した気がします。
4回の講義を通じて、市民も、市民社会も、文化も、非常に重層的なものであり、それを一面的にとらえることは間違いなのだ、ということに気づかされました。
考えてみれば、それは当たり前とも思えることなのですが、こうした当たり前の思考や議論のステップを誰もが普段は省略してしまいたがっているし、そのことに無自覚である、という点は常に心しておかなければならないことだと思いました。
また、講義終了後の懇親会では、出席者の皆さんの多様なバックグラウンド(立場、所属、経歴)に驚くとともに、皆さんの強い期待と意欲が感じられて心強く感じました。
皆さんからも、ぜひ自由な感想をお寄せください。
3 件のコメント:
前期公開講座を受講しての感想
佐藤李青さん、小野田真実さんの素晴らしく的確な授業レポートを読みまして、感心しつつもなかなか自分なりの感想を投稿出来ないでおりました。
高山 博先生、熊野純彦先生、佐藤健二先生、渡辺 裕先生の講義、非常に楽しく受講させて頂き、毎回講義時間が短く感じました。
後期の現場で活躍されている講師の方々の講義も勿論楽しみですが正直なところ、大学院の先生方の時間がもう少しあったら良かったなと思っています。
私は、最近「現代の舞台芸術」とは、どの様な作品を、どの様な仕組みでプロデュースしたら良いのか?という問いについて改めて、考えていました。
そんな中でこの講座を知り参加させて頂きました。
わが国に新劇が生まれて101年(文芸協会が新劇誕生の発端だとすれば)が経過します。政治的イデオロギーを掲げて時の知識人達を、または市民を啓蒙する演劇集団や芸術至上主義を謳って活動する集団や、娯楽のみを追及する者達。様々な表現活動が、戦前、戦後を通じて現在に至るまで続いています。
それらの活動は、時代が違っても常に「人間の自由を求めた」表現活動であったと思います。歌舞伎は、江戸の庶民の感情を役者が代弁した表現活動でした。
時代が移り行く中で歌舞伎が明治時代に変革できなかった事と、新劇が西洋文化と近代思想を意欲的に吸収して来たこと、60年代のアングラ・小劇場運動が新劇を破壊した事によって、現在何が日本の演劇なのか分からなくなってしまいました。(これもグローバル化の一つでしょうか?)特に第二次大戦後のGHQによるWGIP(WGC:War Guilt Campaign)によって戦後生まれの日本人達は少なからず米国流の戦略的洗脳を受けています。考え方によっては、ウォルト・ディズニーの娯楽ビジネスの戦略も例外ではありません。
―市民社会再生―と言うキーワードにおける今回の講座を受講して改めて、日本の国、ここに住む私たちの実態が少し分ってきたような気がします。世界がグローバル化しONE WORLD化する中で、いやいやながら政治に参加してきた私たちは、この先「自由を求める問い」に対して複数の答えを出し、その答えをコミュニケーションの力で共有する事が出来るのでしょうか?
また、新劇の先人達は国からの援助を受けず、自分達の力で劇場を建設し(俳優座劇場等)、強い意志で表現活動を続けていました。現在は、どうでしょうか?演劇は、何らかの援助がなくては上演が苦しい状態です。ひと昔前までは、パトロンが援助していたものですが、現在では国からの助成金制度があり、企業からメセナという形で助成をして頂く方法もあります。どの様な作品をどの様な仕組みでプロデュースするのか?市民は何を求め、市民は何を創造するのでしょうか?この機会にもっともっと思索してみようと思います。この様に感想を書いてくると、この講座を企画した先生方が、何故現場で活躍されているプロの方々を後期に多く講師として招いているのか分かりました。
後期は、具体的なケースとして市民に文化が提供される現場が明らかになるのではないでしょうか?
前期の講義をして下さいました先生方、有難うございました。
木下直之先生、小林真理先生をはじめとして運営委員会事務局の皆さん、いつも講座の準備等お疲れ様です。先日は懇親会の準備や後片付け等で大変だったと思います。懇親会では、様々な方々の自己紹介をお聞きする事が出来ました。後期も宜しくお願いします。
nagiさん、ご意見とご感想をありがとうございました。
「後期の現場で活躍されている講師の方々の講義も勿論楽しみですが正直なところ、大学院の先生方の時間がもう少しあったら良かったなと思っています」とのご意見、来年度の講義内容を検討する際に参考にさせていただきます。
nagiさんに書いていただいたように、演劇を通して市民社会を見るということも非常に興味深いですね。後期のゲスト講師には、現在第一線で活躍する演劇人に登壇していただきます。その際にも、講義での質疑応答やこちらのコメントに声をお寄せ下さい。
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