2008/09/11

前期グループワーク発表の概要

公開講座「市民社会再生」受講生の皆様、長らくご無沙汰しておりました。どのような夏休みを過ごされたでしょうか。
さて、この公開講座も前期の最後となるグループワークの発表会が、来週9月12日(金)に行われます。前期5回の講義を踏まえて「公共性・多様性・マイノリティ」という3つのキーワードから、各グループごとに様々な事例を発見し、考察していただきます。
みなさんは、この夏休みでどのような事例を発見したのでしょうか。発表の前に、各グループの発表の概要をご紹介しましょう。

A●Living Libraryを通じて

私たちAグループはまず各自で様々な事例を挙げることから始めました。その中からLiving Libraryという事例を取り上げることを選択しました。この事例を通して、日本において「市民社会」を築くための問題点を中心に提言しようと思います。5分という短い時間では議論し尽くせないために、続きはWEBで議論しましょう!Living Libraryに関する資料もここにあります。

AグループのWEB→http://d.hatena.ne.jp/CR-Agroup/

B●市民社会への「気づき」(仮題)

私たちBグループは、グループそのものが「ミニ市民社会」である、と初回の講座から話していました。そして9月12日発表に向けての打ち合わせをする中で、各人も場を移動すればマイノリティになりうる。市民社会再生の具体的な方法を示すことよりも、メンバーが集まって、議論する作業そのものに市民社会再生へのヒントが隠されているんじゃないか…と考えました。
今回の発表では、メンバー各々が出した「公共性・多様性・マイノリティ」について考えたきっかけとなった事例をダイジェスト版で紹介しながら、市民社会について、そこに参加する私たちの意識の持ち方について、何らかの“気づき”ができればと考えております。

<主な構成>
事例紹介:
(1) 世界遺産
(2) 考古学+地球資源関連
(3) 美術
(4) ポップス音楽
(5) 地域演劇
など

まとめ:
市民社会に参加する私たちはどうすることが望ましいのか? Bグループなりの考え方

2008/09/10

C●市民社会再生とは…

○Cグループの考え方
事例の列挙→キーワードを抽出→私たちが考える「市民社会」とは?
・・再生っていうけれど、再生すべき「市民社会」って何だ?
・・これまでの授業を踏まえてそれぞれが市民社会再生と感じるような事例を持ち寄り、検討することによって、「市民社会」を「再生」するために必要なことは何かに気付くのではないか?

○事例
 ・長野県南木曽町:妻籠宿の再生
 ・埼玉県志木市:昭和レトロでの地域社会再生
 ・秋田県大館市:アートプロジェクト「ゼロダテ」
 ・兵庫県芦屋市:南芦屋浜コミュニティ&アートプロジェクト
 ・東京都:東京マラソン(その他の市民マラソンも含めて)
 ・神奈川県川崎市:アジア/日本の人々の多文化共生

○抽出したキーワード
 ・地域   ・コミュニケーションのための場所、機会
 ・交流   ・マジョリティ/マイノリティ
 ・他者と自己を認識する

2008/09/09

D●公共放送とは何か?~NHK改革の事例から~(仮)

Dグループは、「公共性」「マイノリティ」「多様性」というキーワードに深く関わる事例として、「NHK」を取り上げました。「公共放送」としてのNHKの役割は、これらすべてに立脚すべきだからです。しかしながら、昨今話題のNHK改革をめぐる議論では、3つの視座が欠けた議論になってはいないでしょうか?
本発表では、今後のNHKを考える手がかりとして、「公共性」「マイノリティ」「多様性」という視点を提案することを目的とします。

〈主な構成〉
(1) NHK改革で展開される議論の概要
(2) 「公共放送」の意義への不十分な問い 傍証:諸外国の公共放送
(3) 回答としての「公共性」「多様性」「マイノリティ」
(3) 考察・まとめ

〈配布資料(予定)〉
パワーポイントのレジュメ(スライドは8枚程度)

2008/09/06

E●マイノリティーから社会的連鎖へ

メンバーは、それぞれ様々な事例に取り組んでいる。話し合いの中から、マイノリティーが多様化へと進化を遂げ、社会的認知を経て、公共性に至るというプロセスがあると考えた。メンバーが取り組んでいる事例を複数に分類し、その中から、一部を紹介し、方法論を検証する。

《紹介する事例》
A:ハンセン病に関する取組み
 (1) 草津温泉 栗生楽泉園
 (2) ハンセン病史料館
B:障害者に関する取組み
 (1) ダイアログ・イン・ザ・ダーク
 (2) Do It Japan(高校生障がい者の進学問題)

F●NPOふらの演劇工房にみる「公共性・多様性・マイノリティ」

ふらの演劇工房のNPO設立に至る経緯と、その後の取り組み、劇場「富良野演劇工場」は、「公共性・多様性・マイノリティ」を考える事例として相応しいと考えた。
ふらの演劇工房の設立をめぐって、多様な市民が、篠田氏(NPO富良野演劇工房元理事長)たちが始めた活動にどのように関わって活動するようになり、信頼関係を結んで、ネットワークを拡がったのか。さまざまな問題を乗り越えて、新たな地域社会が創設されつつある富良野について考察する。
(発表時間が限られているため、詳細については別途ブログに掲載予定。)

概要:
1. 発表の端緒とポイント
2. 富良野の概要と歴史
3. ふらの演劇工房と富良野演劇工場
4. 事例のエッセンス
5. 事例の考察
キーワード:新陳代謝、越境者、「社会的実践を行う個人」としての「市民」、重層性 など

G●アウトサイダーアート

私たちGグループでは、グループ内受講生の関心が「アウトサイダーアート」に集まってきたことをきっかけに、この言葉の意味するところを改めて考えたいと思いました。そこで、障がい者のアートに関する活動を行っているNPOに直にお話を伺い、少しでも現場にふれてみたいと思い、都内にあるNPOエイブル・アート・ジャパンに連絡をとり、活動の一つであるアトリエ・ポレポレにお邪魔させていただきました。
今回の発表では、この活動への参加を通じて「公共性・多様性・マイノリティ」について考えたことを発表したいと思います。

〈主な構成〉
(1) 事例紹介:エイブル・アート・ジャパンのアトリエポレポレ
(2) 参加までの経緯(事例を選ぶまで) 
(3) エイブル・アート・ジャパンの概要
(4) アトリエ・ポレポレに参加して・・・(事例から、今回の課題についてどう考えたか)

〈配布資料(予定)〉
・パワーポイントのレジュメ(スライドは8枚程度)
・発表事例以外で、メンバーが関心をもった関連事例の紹介
 あわせてA3用紙2枚程度の予定

H●アートで街を変える!?―黄金町におけるアートプロジェクト」

わたしたちHグループは、今回の発表で横浜市中区黄金町において、今目下進められている「アートプロジェクト」について考察しました。これらのプロジェクトは以前から黄金町に関係を持っていた人、あるいは「プロジェクト」を行うにあたって黄金町の地を訪れた人、などさまざまな立場の人が入り混ざったかたちで繰り広げられています。
この事例を考察するにあたって、ある地域社会が変化しようとするとき、あるいは変化させられようとするときに立ち現れる力関係の構造を改めて見つめることができました。今回の発表では「黄金町」関係者のインタビューなどから明らかになった、変化している黄金町の今と今後についての考察を発表します。

発表内容
1. 「黄金町」に注目した理由
2. 3つの行為者(行政・住民・民間)による「地域社会再生プロジェクト」とその試み
3. 「黄金町」事例のシステム要素
4. 公共・多様性・マイノリティという視点からの考察と課題

I●地域からの再生

1. Iグループのミーティングで出された数々の問題点や事例
 発表に向けてIグループではメールでのやりとりの他に2度のミーティングを実施、様々な意見が出された。(詳しくは当日資料等で)
 
2. 課題:地域コミュニティの再生の重要性
 出された意見を検討していったところ、近年では社会の質の変化やコミュニケーション手段の発展によって気の合う同質な人たちのみが寄り集まりがちで、身近な他者との交流がおろそかになりがちであるが、「公共性」「多様性」「マイノリティ」を尊重していくには、地域コミュニティでの活動が鍵となるのではないかとの仮説にたどりついた。
 
3. 外国人とのコミュニティ・関係作りの事例
 そこで、地域コミュニティに関する取り組み、中でも外国人とのコミュニティ・関係作りによる相互理解と地域の活性化について今回は取り上げる。
 事例1 ブラジル音楽で踊ろう(ブラジル人の演奏で踊る幼稚園での実践)
 事例2 外国人とつくるコミュニティ(「静岡県湖西市汐路町会長は外国人」ほか)

J●噴水的考察による「市民社会再生」論

Jグループでは、メンバーの多様な関心を生かすために敢えて事例を一つに絞ることをせずに、複数回行ったグループディスカッションでの刺激を受けて個々人がそれぞれの関心をさらに発展させていくその循環によって考察を深めていきました。
本発表は、グループディスカッションで関心を共有して深めつつ、それぞれが面白いと思った事例を書くレポート集のかたちで行います。
メンバーそれぞれが事例を取り上げるなかで、グループディスカッションのなかで、課題を進めるなかで、わたしたちが感じた「市民社会再生」を、発表を通じてお伝えできたらと思います。
〈レポート集〉
・戦後日本の労働者によるサークル運動ー下丸子文化集団ー
・「市民社会」像の再生のために―「異文化へのまなざし」展を事例として
・市民社会再生の場としての「縁側」の可能性
・欧州文化首都-文化による市民社会の構造改革-
・アートプロジェクトが市民社会再生のきっかけとなる可能性